強すぎる正義感

ギフテッド2Eの息子の特性のひとつに強過ぎる正義感があります。小さい頃から「こうあるべき」「こうしなければならない」という概念が強く、幼稚園の頃からお友達がやっているダメなことをいちいち先生に報告するという習性がありました。「〇〇くんと〇〇くんがおもちゃの取り合いをしてる」「たたいてる」「おもちゃを独り占めしてる」など。。。もともとは息子がお友達と仲良く遊べなかったのを私が心配して、「おもちゃはお友達が待っていたらどうぞしてあげてね」とか「お友達をたたいたら絶対だめ」「物は投げたら絶対だめ」「危ないから走ったらだめ」など口うるさく言い過ぎてしまっていたのかもしれません。そして幼稚園の先生はいつも「教えてくれてありがとう」と感謝してくれていたので、息子は「自分の行動は間違っていない!」と確信したのだと思います。先生はいつも笑って「〇〇くんはお友達のことをよく見ていて色々教えてくれるので助かります」と言ってくださっていたのですが、少々しつこすぎると思われてるのではと感じた私は「もう先生に言わなくてもいいよ」と言うようになりました。しかし息子の行動は止まらず、将来の夢が「警察官」だったこともあり、家でも私や妹が何かするたびに「逮捕する!」と言って捕まえ、正義感を振りかざしていました。

小学校にあがってからはそれがエスカレートしてしまい、先生に伝えるのではなく自分で直接お友達に注意をするようになりました。1年生の子供たちはまだまだルールを守れない子がたくさんいます。廊下を走ったり、水遊びをしたり、お友達とたたき合いをしたり。。。息子はそういうお友達の行動がひとつひとつ気になるようで「それはやったらあかん」と注意したり、止めに入ったりしていたようです。授業中に別のことをやっている子が気になったり、音を出してる子が気になったりと、学校にいる時間にイライラとすることがたくさんあるようでとてもストレスを感じているようでした。そして注意されたほうは「どうしておまえに言われなあかんねん」となり、反撃されてしまいます。お友達とのトラブルはいつもそのパターン。それがきっかけで集団でいじめられたこともありました。「お友達の行動は気にしないで流しなさい!」と何度も何度も言って聞かせるのですがなかなか治りません。。。

4年生になっても廊下を走っている子がいたら注意する、コロナ渦の中でマスクを外している子がいたら注意する、悪い言葉を使っている子に注意する。。。一見、息子が言っていることは正しいし、当たり前のことなのですが、言い方にとげがあったりしつこいため不快感を与えてしまうのです。それでお友達に「自分が標的にされている、八つ当たりされている」と誤解されることがありました。まるで息子がその子をいじめているような誤解を与えてしまっていたようです。

息子はいじめているつもりなど全くありません。むしろお友達のために言っていると思っているのです。しかしお友達も相手の親御さんも八つ当たりだと思い込んでいる様子。。。

そしてお友達からは「八つ当たりしないでほしい」と手紙を渡されました。「八つ当たり」という言葉には到底納得がいかなかった息子は「八つ当たりではない。〇〇くんが言った言葉は誰かを傷つけるかもしれないし、聞いている俺も気分が悪いからやめてほしいと言っただけだ。誤解しないでほしい」と返事を書きました。息子は納得がいかない点があると、頑として謝ることができません。親として一言「言い方がきつくてごめんね」と最後に書いてほしい気持ちがあったのですが、息子は誤解されているのに謝るのは嫌だとそのまま渡すことに。どうなることかとハラハラしていたのですが、結局お友達が言い合いの中で手を挙げていたなど、息子にとっては理不尽なことが他にもあったことがわかりました。最終的にお相手の親御さんがそういう理由があったのなら八つ当たりではないと納得してくださりおさまりました。誤解が解けたら自分の行動を振り返り反省することができる息子はやっと「自分もしつこく言い過ぎて悪かった」とお友達に謝りました。ここに至るまで約1週間。

自分の力で誤解をちゃんと解いたところや、誤解がとけたら自分の非を認めてお友達に謝れたこと、そして仲介してくれた先生にも謝れたことはえらかったと思います。

自分がいじめられてもひるまなかった息子ですが、今回、自分がいじめていると誤解されたことは教訓にして今後気を付けてほしいと強く願います。

主治医の先生いわく、「その部分は年齢と共におさまってくる」とのこと。今はドッチボールに自ら当たりに行っている状態。飛んできたボールをうまくかわすテクニックを身につけていけば楽になれるよと教えてあげてくださいと。

また、ルールを守っていないお友達に直接言うのではなく、何かに書いて投書するなど別の伝え方を息子に教えてあげてもいいとのことでした。

伝え方ひとつで善い行いも悪い行いになってしまう。息子にはそこを教えなければならないのです。

強すぎる正義感は学校生活を送るうえで息子の一番大きな課題であります。息子に必要なことは「自分を客観的に見ること」「相手の立場に立って相手の気持ちを考えること」。その上でお友達にうまく伝えることができるように成長してほしいと願っています。

時間はかかりそうですが、伝え続けていきたいと思います。