妊娠中の食事

妊娠中の食事の基本は「低カロリー」「減塩」「高タンパク」。

肉類や魚類に含まれるたんぱく質は赤ちゃんの筋肉や血、臓器をつくる

上で大切な栄養素なのでしっかりと摂りましょう。

塩分のとり過ぎは妊娠高血圧症候群の要因にもなりますので

妊娠中は特に減塩を心かげましょう。

また葉酸は妊娠初期に赤ちゃんの先天性異常のリスクを減らす作用が

あるので妊娠を意識した頃から積極的に摂ること大切です。

厚生労働省からは妊婦は葉酸を1日400μg摂るように推奨されています。

葉酸はホウレンソウ、モロヘイヤ、ブロッコリーなどに多く含まれていますが、

水に溶けやすく熱に弱いため、食事で摂りきれない場合はサプリメントを

利用しましょう。

また鉄分、カルシウム、ビタミン類、マグネシウムは赤ちゃんの体をつくり

ママの貧血を予防する効果があります。

妊娠中は1日3食バランスよく栄養素を考えて食べるように心がけましょう。

食品は含まれる栄養素によって下記6つのグループに分けられています。

それぞれの役割を知って必要な栄養量をうまく摂りましょう。

1群 魚・肉・豆類・卵

筋肉や血液など体の組織を形成する基本となるたんぱく質を中心に、

脂肪、ビタミンB2を多く含む食品グループ。

不足すると貧血、肌荒れや脱毛などの原因になります。

<1日の所要目安>

魚:60g(1切れ)

肉:60g(1枚)

卵:50g(1個)

豆腐:100g(1/3丁)

2群 牛乳・乳製品・小魚・海藻

無機質の中でも特に骨の生成を助けるカルシウムを多く含む

食品グループ。たんぱく質、ビタミンB2、ヨードなども多いので

ほかの食品の栄養組成を補う働きもします。

妊娠中のカルシウム必要量は900㎎です。

<1日の所要目安>

牛乳:200ml(1本)

チーズ:50g(2切れ)

小魚:10g

海藻:5g

3群 緑黄色野菜

細胞を活性化し、肌の乾燥や老化を防ぐ効果があるβカロチン、ビタミンC

を多く含む食品グループ。淡色野菜に比べ、ビタミン、ミネラルも多量に

含んでいるので、栄養のバランスから考えても優先的に摂りましょう。

<1日の所要目安>

人参、ホウレンソウ、ピーマン、かぼちゃ、ブロッコリー、トマト、ニラ:150g

5群 穀類・芋類・砂糖

体のエネルギー源となる炭水化物(糖質)を含む食品グループ。

余分に摂ると体内に脂肪として蓄積されるのもこの栄養素です。

車がガソリンで動くように、人間の体も炭水化物なしでは体力を保つことが

できません。特に穀類、芋類はたんぱく質、ミネラル、食物繊維も

多く含んでいるので適度な量を摂取しましょう。

<1日の所要目安>

ごはん:500g(お茶碗4杯)

パン:1枚

じゃがいも:100g(1個)

砂糖:20g(大さじ2杯)

6群 動物性油脂・植物油

脂質を多く含む食品グループ。

脂質は糖質と同様に体の重要なエネルギー源で体温の発散を防ぎ

内臓を保護する役割をもっていますが、余分に摂ると肥満の原因にもなります。

<1日の所要目安>

サラダ油:15g(大さじ1杯)

ごま:5g

妊娠中摂取を控えたほうが良いもの

ビタミンの中でもレバーやウナギに含まれるビタミンAやDは過剰に

摂取すると胎内に蓄積され赤ちゃんに異常が起こる可能性があると

言われています。

食事などでたまに摂る分には問題ありませんが、サプリメントなどによる

過剰摂取には注意しましょう。

ビタミンBやCは水溶性ビタミンで過剰に飲んでも尿に混じって排泄される為、

特に問題はありません。

また、金目鯛、メカジキ、マグロなどは水銀を含む可能性が高いため、

1週間に1回くらいの摂取にとどめたほうが良いと

厚生労働省で定められています。

コーヒー、紅茶、緑茶に含まれるカフェインを気にする方も多いですが、

1日1~2杯程度なら問題ありません。

アルコールも週に1回コップ1杯程度なら問題はないと言われていますが、

摂らないに越したことはありませんね。

あまり神経質になりすぎる必要はありませんが、生まれてくる赤ちゃんのために

できるだけ体に良いものを摂るように心がけましょう。